2012年をよかった asin で振り返る
今年はハードカバーに手をつける傾向があった。あと、今年の後半のほうが印象強い。記憶が薄れてないんだからそりゃそうだろうと言われるだろうが、なんでだか例年よりそうなんだよ。好みが少し変容してきたように思う。
面白い本が多かったので、面倒で全部は書けてないと思う。映画もよかったが、有名どころばっかりなのでいちいち書くことをしない。例によって後の方ほど書くのに飽きてるのに注意。
舞踏会へ向かう三人の農夫
今年はこれが決定的だったなー。
この表紙にもなっている『舞踏会へ向かう三人の農夫』という写真、この写真一枚から始まり、20世紀をめぐる話がはじまってゆく。写真これ自身もいい写真だよね。そういうところに惹かれつつ、たった一枚の写真からいったい何がどんな風に展開していくのか、期待して読んで、それを裏切られなかった。この本とその直前に読んだ『デス博士の島その他の物語』が二つとも当たりだったので、それでハードカバーに対する敬遠が消えうせ、いろいろと手をつけだすことになったのだった。
いまあちこちのレビューを読み直してみるとけっこう難解なようなので、真面目には理解できてなかったのかもしれない。
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
「超高校級の○○」ってフレーズを見かけたらこれです。個性豊かな高校生たちが閉鎖された環境でコロシアイをし、学級裁判で犯人だと看破されなければ脱出できるという十五少年漂流記。一人一人殺され、犯人としてオシオキ(処刑)されて死んでいくので、だんだんと登場人物が減っていく。こいつは信用できるのか? そもそも、この状況を作り出したのは何者なのか? 昨日の友は今日の敵、そんな、疑心暗鬼に身を置くのが楽しい。ミステリであり話は一本道なので、ネタバレに注意するように!(Wikipedia もネタバレしてた気がする)
第二作も出てるし、いつかやりたい。アニメ化もするらしいぞ。
世界制作の方法
これはリンク先の記事にまとめてあるように、いろいろと考えることを誘発される本だった。世界についての話、見本についての話とか。これからどんな本に続けてゆけばいいか分からなくて、留まってしまったけど。
哲学は、真摯な態度で臨んでいるものである限りは有益だと思う。
GA -芸術家アートデザインクラス-
4コママンガは精神に直接作用する。
キャラのかわいさ(だけ)とか、変に偏ったネタに走ろうとしないよい4コマであり、折にふれ読んだり買ったりしている。すでに何巻も出てる作品であるというのも「まだ次が買える」と思えるのでよい影響がありそう。
ディスコ探偵水曜日
これは何でか読む本が尽きた! ヤバイ! という瞬間があって、久しぶりにアマゾンじゃなくて書店で買ったものだったと思う。
舞城は『煙か土か食い物 (講談社文庫)』しか読んだことがなくてどんな物語を書くものなのか把握してなかったんだけど、予想外すぎて面白かった。正直なところロジックはちゃんと追ってない。
オクターヴ
完結してるところを3巻までしか買ってないので続きを読まねばならん。
アイドルを辞め、そのまま故郷を離れて都会で生活をするヒロインの話。百合というか同性愛なのだが、普通の恋愛漫画だと思える。主人公が18歳なのは少し若すぎるようにも思うけれど。
巨匠とマルガリータ
今年は河出の世界文学全集に手を出し、少しずつ読んでた。面白いものが多かった。やはり、これをもって読者を楽しませようという意図が(俺にとって)明白でない本を読むのは新鮮だ。特にこの本だとそもそも出版もされないのに書いていたのだ。
物語のイメージが、後になってからでも脳裏に浮かんでくる心地良さがある。
あと、同じデザインでカラフルに並ぶ本が、最近はなりを潜めつつある俺の読書コンプレックスをいい感じに刺激してくれる。のでした。
イスラーム文化 その根底にあるもの
非常に読みやすかった。やはり世界のこと、せめて近現代史くらいは知っておかないとなあと思う。
こういう異文化を意図的に知ろうとすることで自分に刻まれていた暗黙の文化や慣習が浮き彫りになるのは面白い。
来年はどうするか決めてないけれど、ハードカバーでしか発行されてないものの中で有名どころ。それと近現代史と哲学かなー。