高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

2015-01-01から1年間の記事一覧

お知らせ

ためしに http://ep-25.tumblr.com/tagged/%E6%84%9F%E6%83%B3 のほうに移動してみていますよ。

貫成人『カント―わたしはなにを望みうるのか:批判哲学』

二冊は読むべきだな。やはり読みやすいと感じた。「入門・哲学者シリーズ」は内容も多すぎず平易に解説されてて、素人にはありがたいなあー。あとこのWordで描いたみたいな図もいい。 カントは有名な『~批判』の三書で、それぞれ真・善・美を説いた。わたし…

panpanya『足摺り水族館』

うーんなんで買ったのか憶えていないんだけど、よかった。鉛筆とペン、デフォルメと写実と、いろんな絵が混ざってコラージュのようで、なんだか現実ばなれしているし、人間同士の交渉が異様に少なく、暗く静かな世界でありながら、全体的にあっけらかんとし…

吉浦康裕『サカサマのパテマ』

どこかで予告編を見たのか、テレビCMをやってたのか。気にはなっていて、Google Playで名前を見かけたのをきっかけに観てみた。物語はシンプルで、二つの世界の男の子と女の子がであうボーイミーツガールであり、悪をくじき、世界を発見する冒険なのだけど、…

イサベル・アジェンデ『精霊たちの家』

祖母から孫娘にわたる女系三代の物語。なるほど『赤朽葉家』はこれに通じるところがあると言ってよいと思う。ともかく、まず目次を読むと、「美女ローサ」からはじまり「陰謀」「恐怖」「真実の時」……と後半に不穏な空気を抱えていることがわかる。といって…

石川文康『カント入門』

2014年に読んだ本。 世界は(時間的・空間的に)無限か有限か? という問題を取りあげてみる。具体的な議論は興味ないので省略するけど、決着がつかないのは想像すればわかると思う。実際のところ、世界は有限でも無限でもない。世界は空間や時間という尺度…

桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』

ずっと前にKindleで買っていて、案外読むのに難儀したので、ときどき気が向いたときに読み進めてた。どこで知ったのか覚えてないが『百年の孤独』の近現代日本版じゃろ? との予断をもって読みはじめ、たしかにその趣があったけど、しかしときどき時代を語る…

清水マリコ『嘘つきは妹にしておく』

これもほんとは正月休みに読んだ本。物語の妖精みたいのが登場する、おはなしのおはなしなんだけれど、なんか消化不良だなーと思ったのは、作中作がそうである必然性を認められなかったからだろうな……。おれにとってこの本がもっとも良かったのはこの作中作…

ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』

年の終わりと新年一発目だけはなんとなくこれと決めて読むものだ。 心理学者がナチの強制収容所に送られたときの、その体験と記録を本にしたもの。細かい章に分かれたエピソードたちはなにかストーリーを描くわけではないけれど。悲惨さをまざまざと描くわけ…