高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

『停電の夜に』

古本屋で見かけ、聞いたことのある名前であったので購入する。どうも以前から、新潮クレスト・ブックスって大人の女性を対象にした(ちょっとハイソな)レーベル、という印象があって、なんとなく自分には合わないなと感じてはいたのだけれど、そこには目をつむって。

読んでみるとうーんたしかに「インド系女性作家」と呼ぶしかない、という気がする。ルーツをインドに持つのはいいんだけどさすがに何編も何編もインドの話をされているのでは食傷してしまう。そういうシチュエーションでなければ書けない機微はあるだろうにはしても、ほとんどにはその必然性を感じないので、結局、作者の存在というか、自意識を感じずにはいられなくて、引っかかるものがある。

単純にストーリーとして読んでも何か余韻のあるだろうことは察せられるが感じることはできず、題材が結婚とか男女の間のことであるなら仕方のないことかもしれない。こんな感じはタカハシマコでも受けた(『乙女ケーキ』)。おれの文章もそうなのだろうと思う。

停電の夜に (新潮クレスト・ブックス)

停電の夜に (新潮クレスト・ブックス)