アントニオ・タブッキ『インド夜想曲』
タブッキは一冊しか読んだことがないのに夏のイメージが強く植えつけられているなと思った。前に読んだの(『供述によると……』)が実際夏であったし、冒頭の描写も夏だったから、それも不思議はないなと思う。レーベルも同じく白水Uだから、なおさらかな。
どんな作家であるかは知らないけれど、前に感じたのとおなじ落ち着きをもって語られているように思った。それが心地よかった。ストーリー自体は、もともと小説ですらなく旅行記だと思って手にした本だったので、求めてはいなかったのだけれど、あるようでほとんどなくて、しかし余韻は好きだった。(不用意にセックスでもしていたらおれの中ではポール・オースターになっていたんだが、そうではなくてよかった。)
- 作者: アントニオタブッキ,Antonio Tabucchi,須賀敦子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1993/10
- メディア: 新書
- 購入: 9人 クリック: 44回
- この商品を含むブログ (72件) を見る