高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

倒立する塔の殺人

倒立する塔の殺人 (PHP文芸文庫)

倒立する塔の殺人 (PHP文芸文庫)

何かで皆川博子に言及されていて、調べていたところ、いつか読むリストにこれが何故か入っていたので買ったというなんかよく出自のわからない動機なんだが、このタイトルはかっこいい。
終戦直後*1のミッション系の女子校、お姉さま、とか言っちゃったりするような少女たちのいる学校を舞台に、「倒立する塔の殺人」とタイトルをつけられた白紙の本を手渡された登場人物たちによって、順番に小説が書かれていく——という、つまり作中作があって、加えて書きつけられている彼女たちの手記から読者はことの全貌を把握しようとする、ミステリになっている。設定がおもしろいだけにいろいろと妄想が先行してしまうなあと思う。信頼できない語り手とか、順番に回していくことによる情報の落差とか。

*1:である必要がどのくらいあったのかは分からんのだが