高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

上弦の月を喰べる獅子

上弦の月を喰べる獅子 上 (ハヤカワ文庫 JA ユ 1-5)

上弦の月を喰べる獅子 上 (ハヤカワ文庫 JA ユ 1-5)

螺旋収集家と、詩人が合一し、異世界を旅する、旅するだけの間に、螺旋をキーワードに宇宙を語っていく物語。おれは宗教的なフレーバーのある小説はアナロジーやこじつけにより風呂敷がどんどん拡がっていくような感じが好きなのだが、そういうところが不思議とないのは、ずっと同じこと、螺旋、問いと答えについて、などなど、への言及を繰り返しているからだろうか。解説にもあるがあくまで仏教的に、天について語った、広義の SF といえる。巻末に作者自身による解説が添えられているのだえけど、これが非常に実直な印象で、えらいなあというか、こんな風に思って書いたんですよとか言われると、ずるいような気もするけれど、まあよかった。
俺は詩をうまく読めなくて、あまりこれというのに出会ったことはないのだけれど、宮沢賢治春と修羅』を読んだときには丁度心が感じやすかったのか、それだけはいい印象がある。たびたび引用されているので先に読んでおくのがいい。
ページの下半分が白いので、頁数は多いがすらすら読める。