高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

デス博士の島その他の物語

デス博士の島その他の物語 (未来の文学)

デス博士の島その他の物語 (未来の文学)

前から読んでみたかったやつ。ついに買っちゃったー、と思って、大事に読む。ハードカバーだから物理的にもそうなる。
短編集なので英語の書名は "The Island of Doctor Death and Other Stories and Other Stories" 。

「ランサム船長がここに来ているんだよ。あんたを殺すかもしれない」
デス博士は微笑し、首をふる。「できるものか。いいかね、タックマン、ランサムとわたしはいってみればレスラーに似ているな。いろんな扮装をして、何回も何回もショウを演じる——しかし、それはいつもスポットライトの下でおこなわれるんだ」
デス博士の島その他の物語

最初の『デス博士の島その他の物語』、これは Amazon の紹介文を読んだだけで気に入ってしまって、楽しみにしていたんだけど、期待どおりとてもよくて、短さにもっと読んでいたいと思うけれど、また本を開けば。
これ以外は、たぶんこちらのほうがジーン・ウルフ的なのだと思うけど、ストレートでもないので、俺のような未熟な読者には十分の一も理解できてないだろうけど、面白いと思う。謎を謎としてハッキリと投げかけるようなことをしないので、それで却って、ストーリーに語られない背景は確固としてあるんだろうという信頼がある。各ストーリーについては……ぐぐれ! 最近読んだ本(ちくまの数学のやつ)でもオズの魔法使いに少し触れられていて、こういう風に全然関係ない話にほんの少し接点があるものだと思うし、教養ってやつはすべての体験を支えてくれる。これが常識というやつになると厄介なのだけれど。
この人かなりおもしろいので『ケルベロス第五の首』についてもそのうち読みたい。