高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

福島聡『星屑ニーナ』

3年後! 5年後! いやー、エピックだった! 作者はハチャメチャな漫画を目指したと書いていたけれどその試みは成功しているように思える。それも読者がついていかれないようなハチャメチャさではなく、ハチャメチャさを楽しみながら引っ張っていかれるようなハチャメチャさだ。

ニーナという奔放で真っすぐな少女(というとありがちな造形ではあるが)と、彼女に出会ったロボット、星屑のストーリー。ロボットは死なない、電池さえあれば生き延びることができるけど、ニーナは人間だから、すぐに死んじゃうぜ! 一巻を読み終えるころにはもう、たぶん寿命で、死んでしまっている。ひとり残された星屑が抱えこんだニーナの記憶(記録)は、彼がそれから出会う何人かの人間たちに多かれ少なかれ影響を与えて、彼らの運命をつなげていく。それは複雑に絡みあうのではなく、星屑の人生(?)を経糸として、それぞれ、じゅんばんに——そして物語は終わり、また始まる。そんなお話だったのさ。フェローズで読んだ覚えがあったが、これは完結した今まとめて読むのがいいだろうな。面白かった。Kindleで。