高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

石川博品『後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール』

これは本当は去年のうちに読んだやつ。こういうのがたくさんある。

ブログ記事(石川博品のおしゃべりブログ: 新作が刊行されます)を読んで待望のギャグかと思っていたのだけど、どうやらそうではない、異世界ファンタジーだった。今後はこの方針でいくのかな。かまいませんぞ。

異世界ファンタジーったって後宮で野球をするっていうとんでもない食い合わせなんだけど。そして凄いのはこのネタでしっかりと世界観構築ができている。それは設定の妙というよりは描写が素敵なんだと思う。ネルリ世界の静かな雪の大地の印象に対比してこの大白日帝国(もちろんオスマントルコ風)のギラギラ輝く太陽よ! それに加えてこの肉肉しさ。後宮だからね。女の園だからね。淫靡でもない開放的なエロさってものに満ち満ちている。

野球が別に好きではないんで、肝心の試合風景にあまり気持ちを入れられなかったのが残念。さすがにシリーズ続刊もあるはずなのでこの世界観に馴染んでいきたい。