高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

イスラームから世界を見る

イスラームから世界を見る (ちくまプリマー新書)

イスラームから世界を見る (ちくまプリマー新書)

イスラームの視点をもって、世界情勢に対する西洋的な(というか日本人の、俺の)観点を相対化しつつ、現在のイスラームに関わる世界と各国状況(アメリカの戦争とかエジプトの革命とか)を解説する。著者の体験も交えながらの内容で、もちろんだけどイスラームに肩入れされている。ヨーロッパ-西アジアらへんの歴史のような話が当然のごとく絡んでくるわけだけどこの辺の教養を備えてないからよく分からなかった。せめて近現代史くらいは知っておきたいわな。

イスラームは宗教でありながら社会規範でもあるのだから、西洋が近代になって獲得・実現してきた啓蒙運動・世俗主義だのっていう思想自体が通じないので西洋的な国づくりを強いようとしてもまず無理ゲーということかな。あともう教義を変えようがないってのがなかなかキツい。
誤解に基づく偏見というのはつねに問題だがそれを解消するための(正しい)ムスリムからのメッセージというのはどのくらい発信されているものなんだろうか。というのが気になった。

そしてこの本、参考文献がない……。『イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)』ての読んでみるかな。