高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

スローなブギにしてくれ

俺には関わりのない世界、登場人物たちのやり取りも、わかるようで、わからないようで。みんな優しい気持ちを持ってるのだと思う。21世紀の、おれにとっては現実味のない話だが、当時はそれなりにリアリティがあったんだろうか。そうじゃなくて、こういう話って、常に存在しないノスタルジーを追い求めているような気がする。そういう望郷とか感傷はあるのだと思う。おれには実感されないけれど。おれに迫ってくる感情はないけれど、そういうものがあるのだろう、だからこの話があるのだろう……という感じがする。
表題作はかっこよかった。ラストがね。

彼の第三京浜は今日も薄曇り。走ってもとまっても、うんざりの毎日へ、類は友を呼んであいつが現れた。
ヘッドライトを消すと夜明けが来て、いよいよ朝のどんづまり。わかってない奴らは、これを「青春」と呼ぶ。

カバーの折り返しにはこうあるが、これがいちばんいい。