高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

鎮魂歌は歌わない

鎮魂歌は歌わない (文春文庫)

鎮魂歌は歌わない (文春文庫)

(0w0)<ウェイウェイオール
もともとハードボイルドなんて読まないのでなんの期待も予期もせずに読み始める。
娘が殺されて主人公が取った行動が「よしあいつを殺そう」なもんで俺にはまったくその思考回路が理解できなくて、つまりハードボイルド的な文脈に対する理解ってものが必要なのかとヒヤヒヤしながら読んでいたけれど実際のところはそうでなくて、行動が先にあってそれから事態と背景が描かれてゆく。最初はなんだこいつと思っていた主人公にもいつの間にか感情移入して「いけ、やっちまえ!」などと応援しているのでそういう語り方がいいのかなあと思う。社会的ではないがヒーローの話ということかな。おそらく王道的で、期待しなかった割にかなり楽しめた。