高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

ジーン・ウルフ『ピース』

ジーン・ウルフの新作! ではなくて1975年のもの……。ウルフってそんなに邦訳されてないらしく、また古いものしか邦訳されてないのだと調べてわかった。

ウルフの作品が何で好きなのかと言うとこの嘘にからめとられるような感じ、技巧上のものじゃなくて語り自体の嘘が好きで、一言でいってしまえば信頼できない語り手というやつ。だけどそれ以上に、自分の、どうやら半端な理解で読み進めてしまう悪癖の言い訳が立つような気分がしてしまうからだろう。よくないんだけれど。最初の一章あたりまでは、アメリカのような描写だけれどこれは宇宙に違いない……とか勝手な予断をもって読もうとして混乱していたのだけれど、帯を見て、頭をリセットして読めばアメリカの話だ(実際にそう)。

けっきょく(いつもの通り)謎めいたまま終わるのだけれど、解説を読むとおおっ、となる。謎ばかり、楽しい。英語圏ではすでにいろいろと読解がなされているだろうから、そういうのを調べる楽しみもある。また読みたいね。

ピース

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