レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』
- 作者: レオ・ペルッツ,垂野創一郎
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2012/07/25
- メディア: 単行本
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面白かった! 史実を下敷きにし、皇帝ルドルフ二世時代のプラハを幻想的に描く本。一章一章それぞれが物語として独立して十分に面白く、ほとんど完結しているかのようなので、はじめは短編集かと思ったのだけど、読んでゆくとバラバラに思えたその話も繋がってゆく。そして底に流れる本自身のストーリーはあるけれど、各個のエピソードも全体のために殉じてるわけではない。
主要な人物は実在のものらしい。プラハという都市や皇帝ルドルフ二世という歴史上の人物については何ひとつ知らない状態で読みはじめたけど、楽しめた。皇帝が馬鹿に見えたり賢く見えたりして、二人いるんじゃないかとか思ったりもしたけれど。ちなみにルドルフルドルフ言ってるが彼だけが主人公だというわけではない。
訳者ははてなダイアラー(死語)で、http://d.hatena.ne.jp/puhipuhi/ の方。というかここでこの本のことを知ったのだった。