高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

冬の夜ひとりの旅人が

冬の夜ひとりの旅人が (イタリア叢書 1)

冬の夜ひとりの旅人が (イタリア叢書 1)

あなたはイタロ・カルヴィーノの新しい小説『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている。[…]

こんな書き出しで始まり、そしてそれから続く物語の断片断片とそれらを追う読者の物語だが、定まった筋や裏書きがあることを感じさせず、そして実際になく、またこの物語自身が読書のあり方のいろいろな形を肯定し、それが今の俺の集中できない散漫な読み方にうまく合ったのだ。

物語のありとあらゆる読み方を肯定し、そうしてこれが提示するのは本のどの断片にすら世界が宿っているということ、この本はひとつの読書だ! などと格好つけて言いたくもなる。