高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

火星年代記

SFというよりは情緒的な、どことなく寂しい火星とアメリカの風景の連作短編。よかった。キリスト教が火星人にも通じてるのには噴飯だけど。

[…]そして主人はわたしに実験室のことや、いろいろな研究の話をしてくれました。それから、この下の死に絶えたアメリカ人の町ぜんたいに電線を張りめぐらし、スピーカーをとりつけました。ボタン一つ押すと、町に灯がともり、騒音がきこえて、一万人の人が住んでいるような感じになります。飛行機の音も、自動車の音も、人の話し声も、みんな聞えますのよ。主人はここにすわって、葉巻に火をつけ、わたくしたちに話しかけます。下からは町の騒音がたちのぼり、ときどき電話のベルが鳴って、受話器をとると、録音した声が主人に科学のことが外科医術のことを質問し、主人がそれに答えました。[…]