高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

石川文康『カント入門』

2014年に読んだ本。 世界は(時間的・空間的に)無限か有限か? という問題を取りあげてみる。具体的な議論は興味ないので省略するけど、決着がつかないのは想像すればわかると思う。実際のところ、世界は有限でも無限でもない。世界は空間や時間という尺度を内包してはいるが、その物差しで測られるようなものではないからだ。ではなぜ、この一見矛盾する命題が生じてしまうのだろうか? それは人間の主観のほうが時間・空間という形式を備えていて、現象をその枠組みの中でとらえてしまうからだ。外界から入力をおこなう人間の能力を感性とよび、また、感性と対になって直観を形成する能力を知性(悟性)とよぶ。知性にはカテゴリーがあり、量、質、関係、様相の4種類がある。因果関係ですらこの知性のなかに含まれている。これをさらに詳細に、カントは12種類の知性の働きに分類したが、この辺はやりすぎというかノリノリというか、真に受けるようなものでもないだろうと思う。人間が認識し、直観の枠組みにとらえられるものたちを現象とよび、人間の認識に収められないそもそも本来のものたちを、物自体とか超越論的対象とか呼ぶ。

このあと道徳の話とか、宗教の話とか出てくるんだけど、興味がなかったので覚えてない。読んだのがけっこう昔で、思い返してもあまり身についてもいない感じがあるので、もう一冊買ってあるやつを読むことにする。

カント入門 (ちくま新書)

カント入門 (ちくま新書)