高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

ロバート・クーヴァー『ユニヴァーサル野球協会』

ユニヴァーサル野球協会 (白水Uブックス)

ユニヴァーサル野球協会 (白水Uブックス)

存在しない野球リーグの話だけで一冊持たせてるのだ、熱いな、と思って手にとって(=アマゾンでカートに入れ)、読んでみたら、それどころじゃなかった。野球リーグはこの本の中で真実であるような架空のものですらなくて、この本のなかのじいさんの、頭の中でサイコロとともに繰り広げられる登場人物たちの戦いだった。かれはすべての選手の名前を一人ひとり決め、性格づけをし、サイコロに従って彼らの運命を決めては、それに泣いたりも喜んだりもする。そのさまは悲しい老人の姿でもあるのだけれど、解説にもあるとおり次第に神話めいてきて、これは何なんだろう。変に装飾した言葉で語るのもあってないので、変な話だった。というのがいいだろうか。面白かったけど。