高校生のための読書ガイド

という名の、おれの読書感想にっき。小並感/ネタバレ有で

わたしは英国王に給仕した

わたしは英国王に給仕した (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)

わたしは英国王に給仕した (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)

久しぶりに世界文学全集から。ボフミル・フラバル、よく Amazon にオススメされる『厳重に監視された列車』『あまりにも騒がしい孤独』の人だったんだな。「これからする話を聞いてほしいんだ」で始まりそして「満足してくれたかい?」で終わる、語りの連作中篇。与太話、ほら話とも呼ばれているかもしれないがそう言うには中身がぎっしりと詰まっている印象だ。ひと息に書いた小説らしいが散漫な語りではなくてきちんとクライマックスもありひとつのストーリーになっている(それも素晴しい)のに嘆息せざるを得ない。主人公が仕事場を点々としていく様子は、冒険小説のようだとも思った。